前回のブログで広大地評価についての適用要件についてお話させていただきました。

ブログでの文章によるお話ですので、当然ながら、原則的なことに終始せざるを得ず、グレーな部分につきましては、文章でに説明は、甚だ、困難を極め、ご容赦頂けますよう、お願いいたします。

さて、今日は、広大地評価というよりは、そもそも論としての相続税の土地の財産評価を計算する上での根本的な決まりについてのお話がメインとなります。

相続税を計算する上での土地の評価は、その土地の利用者毎に評価するものとされています。

広大地評価に該当するような広くて大きな土地の場たて合、自宅の隣をにアパートや駐車場として活用している場合があります。

このアパートや駐車場を利用する人は自宅の所有者と異なりますので、この広大な土地は、自宅部分とアパートさらには駐車場部分を分けて評価することとなります。

たとえば、この広大な土地が、三大都市圏内の500平米の土地であり、かつ、その他の広大地の適用要件を満たしていた場合で考えてみると、3つの利用者毎に分けて評価すると、それぞれの土地の面積は当然ならが、500㎡未満となってしまいます。

広大地評価はこの相続税の財産評価の評価区分ごとに面積の要件を考えることとしていますので、全体としては広大地評価の適用要件をクリア―しているものの、評価を区分して行うことにより、折角の広大地評価の適用が受けられないということとなってしまうわけです。

広大地評価の減額効果が非常に高いことを考えると簡単に適用が受けられないと諦めるのは勿体ないような気もしてきます。

上記のような場合で、広大地評価の適用を受けられるようにすることはできるのでしょうか?

その答えはYESです。

次の様な対処をすれば、広大地評価の適用要件を満たせることとなります。

まず第一には、アパートについてですが、アパートの建物の名義を、土地の所有者である父から、例えば長男に贈与や売買で移転する。

そして、父と長男との間でアパートのための土地の利用は使用貸借関係とする。

長男の変わりに不動産管理法人という方法もあるでしょう。

いずれにしても、アパートの建物の名義を土地の所有者以外の者の名義に移し、かつ、その利用関係は使用貸借とすることがポイントです。

こうすることで、アパート部分の敷地は使用貸借として供出している土地ですから、他人の権利の及ばない自用地扱いの評価となり、自宅部分と一体の評価となるわけです。

また、貸駐車場部分は、使用貸借関係などというものは存在しえませんので、とにかく他人が利用しているという状況をなくすほかは無く、相続の開始の前に駐車場としての貸し出しを一旦、止めるほかはなさそうです。

こうすることにより、この500㎡の広くて大きな土地は、一体の土地として評価されることとなり、広大地評価の適用要件である500㎡以上の要件を満たせることとなります。

この、名義を変える効果は、相続対策や所得税対策として良く使われる所得分散にも繋がってくる事となります。

また、アパートの所有者が高齢となり認知症となったような場合、その賃料を家族が自由に使えなくなる、または法定後見人の着服などの問題等、高齢になったときのリスクをヘッジするために、若い世代に名義を移していくことは意義の高い対処かと思います。

さらに、広い大きな土地で広大地の適用要件を満たしている土地にアパートが数棟、建っている時は、どうするか?

この場合、やはりアパート1棟ごとに分割して土地の評価を行う事となりますので、1棟ごとの土地の面積では広大地の適用要件を満たせない場合には、アパートの全てを長男や不動産管理法人に移転して使用貸借関係とする方法をとることによって、広大評価の適用が受けられることとなってきます。

こうすることによってアパート全体を一つの敷地として一体評価できることとなり広大地の適用面積要件がクリア―されることとなります。

相続対策で貸家を建築して建築資金の債務と建物評価の時価との乖離部分ならびに土地の貸家建付地としての約20%の評価減を狙うとした対策を、やみくもに実施することは御法度です。

ご自身の所有している土地の数や金額、そして毎年の所得金額、さらには将来の遺産分割や納税金額の確保等までをも考えて、誰の名義にするのが得策か、今すぐではなくても、10年後、20年後にどうじていくか、その戦略を考えながら相続対策を実践して行って欲しいなと思います。

備え有れば憂いなしですが、その備えには、現状の分析から導き出す戦略が、とても重要です。

早い段階で、戦略にのった備えを行って欲しいなと思います。



株式会社ARK財産承継コンサルタンツ(旧荒木不動産コンサルティングFP事務所)は、相続対策やライフプランの作成、生命保険の見直し、住宅取得や住宅ローン等のご相談の他、土地活用や不動産売却等の不動産コンサルティングのご相談も承っております。

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Posted by 荒木財産FP at 17:32│Comments(0)財産承継コラム
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