一昨日の日本経済新聞WEB版に、日本株に関する外国人投資家の動向についての記事が掲載されていました。

アベノミクス効果による円安、株高に乗り遅れまいとする個人の投資家にお思惑とは逆に、いつ、売り越していくかの判断をまっているようです。

この株高の裏に潜むリスクについて、参考になると思いますので原文のままご紹介させていただきます。

日本株で個人投資家が高値づかみさせられるのではないかと心配になるデータが出ています。東京証券取引所が発表した4月第3週(15~19日)の投資部門別株式売買動向で個人投資家が3245億円の買い越しとなったのに対し、外国人投資家は1539億円の売り越しとなったのです。

個人は2012年12月ごろから信用取引では買い越していたものの現物では売り越しが続いており、トータルでは売り越し傾向でした。ところが4月第3週になり、個人は現物でも大幅な買い越しに転じています。信用取引は主にセミプロ級の個人、現物取引は主に中・長期投資家が利用しているとみることができます。

その一方で、外国人は4週間ぶりに売り越しに転じました。日本の機関投資家(生命・損害保険会社や都市・地方銀行、信託銀行など)は相変わらず大幅な売り越しを続けています。

4月17日付のこのコラム「割高相場で損しない 出遅れ投資初心者に2つの道」で「動き出したバスに飛び乗るのが非常に危険なように、大きく上昇した相場に飛びつくのも大きな危険を伴います」と指摘しました。ところが高値相場というバスに乗り遅れて焦った個人が大挙して買いに動いた様子を、これらの売買動向からうかがうことができます。そして、こうした動きにタイミングを合わせたかのように、外国人が売り越しに転じています。

ちなみに、4月3日付の「外国人買い越しに変調 日本株を覆う6つの懸念」で触れたように、3月第3週(18~22日)に外国人が19週ぶりとなる売り越し(1032億円)に転じたときも個人は買い越し(3136億円)となっています。

こうしてみると、個人が大挙して市場に押し寄せたときに、外国人は売り越していることが分かります。

外国人にとって最大の誤算は、いくら株価が上昇しても日本の機関投資家が日本株投資に慎重で、いつまでも買い越しに転じてこないことでしょう。機関投資家が大幅な買い越しに転じたときに売り逃げようと考えていたのに、いつまでも本格的な買い出動をしてこない。その一方でバスに乗り遅れた個人が焦って株買いに動き始め、外国人はこれ幸いとばかりに利食い売りしている――こうした構図が浮かび上がってきます。

外国人の誤算はもう一つあります。「1ドル=100円突破は時間の問題」と考えていた円安が100円の大台を目前にしてもたついていることです。

最大の理由として考えられるのは、米財務省が議会に提出した為替報告書で日銀の金融緩和策について「競争的な通貨切り下げを慎むよう引き続き迫っていく」と明記したことです。市場はこれを円安誘導への強いけん制と受け止め、円安の動きがピタリと止まっています。

最近の日本の株価は円安が進めば上がり、円安が一服すれば下がるという単純明解な動きを強めています。1ドル=100円の壁が思いのほか厚いとみた外国人は、昨年秋から続いてきた円安の勢いが終息に近づいたと判断している可能性があります。日本の財政赤字が今後も拡大する見通しが強まればもう一段の円安が進む可能性も十分あり得ますが、それまでにはもうしばらく時間がかかりそうです。

個人投資家は高値をつかまされないように、外国人の動向に細心の注意を払いつつ慎重な投資行動をとることが求められています。

いかがでしたでしょうか?

株高が復調していますが、株式投資には最新の注意が求められそうです。

株の投資も、投資先の企業の業績や資産の状況のみならず、売り越し、買い越しによってもその相場は変動します。

こうなってくると、株式への投資は長期的に、手堅い資産運用できる銘柄が安心できるものと思います。

やはり、ポートフォリオでのリスク分散を心がけるべきでしょうか・・・


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