2013年05月08日
相続税無申告に注意・・・
相続税の基礎控除額の減額に伴って、相続税の申告の必要となるかたは倍以上になるであろうと言われています。
相続税の場合、たとえ、結果、相続税額が0円であったとしても相続税の申告書の提出が必要となるときがあります。
それは、相続税の特例の規定の適用をうける場合です。
代表的なのは、何といっても、小規模宅地等の課税価格計算の特例でしょう。
小規模宅地等の課税価格の計算の特例の規定を適用して相続税額が0円になった場合、小規模宅地等の特例の規定の適用を受けるためには、相続税の申告書の提出が必要となります。
また、配偶者の相続税額の軽減や、国等に相続財産を贈与した場合の非課税の扱いなどについても、同様に、相続税の申告書の提出があって、適用されることとなります。
つまり、これらの相続税の特例は相続税の申告書の提出があって、適用されるものとなります。
結果は、税額が0円になるのに、と思われるかもしれませんが、そのように法律で定められています。
今後は、自分に相続税は、関係ないと思っていても、注意をする必要がありそうです。
また、小規模宅地等の特例の適用を受けるためには、同居が必要な場合とか必要ない場合とか、細かい要件があるので、特に注意が必要です。(配偶者が取得する場合は、細かい要件は無くなるのですが・・・)
そこで、本日は、日本経済新聞WEB版から、『相続税の申告を忘れたらどうなるか』といった記事を紹介させていただきます。
相続税の申告を忘れていたら、どのようなことになってしまうのでしょうか?
是非、ご参考にしてみてください。
税制改正によって平成27年から相続税のルールが変わる、というニュースをご存じの方は多いでしょう。この改正によって課税対象が広がるので、相続税を支払うことになる層は、現在より50%も増加する可能性があるといわれています。現状では、亡くなった人が100人いれば、そのうち約4人に相続税がかかっていますが、この割合が6人くらいまで増えると見込まれているのです。
しかし、もしもこのような改正があったことを知らずに、実は自分の家が相続税の課税対象となっていたにもかかわらず、相続人全員が申告の必要性に気づかずに申告をしないままになっていた……などという場合は、いったいどうなってしまうのでしょうか。今後は、この手のトラブルが増えてくるかもしれません。今回は、相続税の申告や納付の必要性に気づかなかったり、忘れて放置する形になっていたりした場合はどうなってしまうのか、というテーマについてとりあげていきたいと思います。
長女「父が亡くなってからもう1年以上になるので、母も当初はひどく落ち込んでいたけれど、ようやく落ち着いてきた感じがします。それで、今回の父の遺産の場合って、本当に私たちにも相続税がかかってくるんですか?」
税理士「お父様名義のご自宅の名義が半分と、銀行預金が200万円程度だけだと思っていらしたんですよね。ところが、あなたが受取人になっていた生命保険金が1億円もあった、と」
長女「父がかけていてくれた保険金がおりることは知ってはいたんですが、それが遺産に入るという感覚がなかったんです。父の喪が明けたあと、父と母で半分ずつ持っていた自宅については、名義を全部母に変えてもらいました。でも、そのときに作った書類は自宅に関するものだけだったように思うし、現金はほとんど残っていなかったもんだから、それで手続きは終わりなんだと思い込んでしまって。相続人も私と母の2人だけだったから、もめないからよかったね、なんていわれて余計に油断しちゃったんです」
税理士「……そうですね、結論から言えば、相続人が2人だけなら、今回はやはり相続税がかかってくるケースになるでしょうね。本来であれば、お父様が亡くなられた日から10カ月以内に申告して、税金を納めておかなければならなかったはずです」
長女「えっ、やっぱりそうなんですか! いまから申告しちゃっても問題はないんでしょうか? もしかして、捕まっちゃったりしません? ペナルティーとか、そういったものがどうなっているのか、心配で心配で……」
期限内に支払っておかなければならなかった税金を知らずに滞納していたということになれば、誰しも不安になってしまうことでしょう。上記のケースのように、遺産はすべて把握していたのに、期限内に相続税の申告と税金の納付をしなかったという場合もあります。さらには、そもそも誰も予想をしていなかった財産が実は存在していたために、適正な申告ができなかった場合なども出てくるでしょう。
税法では、そのように適正な納税ができなかった場合のペナルティーについて、ざっくりと以下のように定められています。
(1)延滞税
期限を守れなかった期間に応じて、遅れた分だけ科せられる税金です。法定の申告納付期限(10カ月経過時)の翌日から、納付すべきだった税額に対して課税される、「違約金」といった意味合いのペナルティーだと考えてよいでしょう。ペナルティーの利率は、高ければ年14.6%にも及ぶことがあります。
(2)過少申告加算税
期限はしっかり守っていたけれども、申告から漏れていた財産があとから見つかったときなどに追加でかかることがある税金です。申告納付期限までに相続税の申告書を提出したものの、その申告書の税額が過少だったために税務署からの指摘を受けて税額を上方修正した場合などに、このペナルティーが科せられることがあります。
(3)無申告加算税
そもそも申告をしていなかった場合にかかる税金です。申告納付期限までに申告をしなかったけれども、その後、自分から気づいて、あるいは税務署からの指摘を受けて申告した場合には、このペナルティーが科せられます。
(4)重加算税
悪質なケースにかかってくる税金です。意図的に財産を隠ぺいした、あるいは仮装したと認定された場合に科せられるペナルティーです。
それぞれのペナルティーごとの税率の違いなど、詳細な説明は割愛しますが、とりあえず次の2つの点がポイントになると考えてよいと思います。
まず1つめは、申告納付期限を超えてから申告をする場合でも、「自分で気づいて」自主的に申告するのか、それとも「税務署からの指摘を受けて」から申告するのかでは、科せられるペナルティーの名前は同じでも、税金の重さに差があるということです。
例えば(3)の無申告加算税では、自分で気づいて申告した場合と税務署から言われてから申告した場合とを比べると、自主的にした方が10~15%も税率が低く設定されています。自分からすすんで正しく申告した場合のペナルティーを軽くすることで、申告をする積極的な動機につなげようという考え方に基づいた措置だといえるでしょう。
2つめのポイントは、財産を「意図的に」ごまかしたのか、そうでないのか、という点です。個人名義の銀行口座があるのを忘れていた、知らなかった、という場合と、あえて銀行口座から引き出して隠しておいた、という場合とでは、ペナルティーの重さが違うということです。
例えば、さきほどの長女のケースでは、父の遺産を意図的に隠ぺいしたわけではないようにみえます。となれば、もしかしたら「重加算税」の問題は出てこないかもしれません。しかしながら、申告自体はしていなかったわけですから、「無申告加算税」は免れないということになるでしょう。また、申告納付期限を過ぎているので、これに加えて「延滞税」も科せられるということになりそうです。
このように、当事者にはまったく悪意がなかったとしても、適正な相続税の申告が行われていないというケースは実際に存在しています。そうした際には、残念ながら「まさか我が家に相続税がかかるなんて知らなかった」という言い訳も通用しません。今回の税制改正を機会として、うちは大丈夫だろう、という思い込みはいったん取り払ったほうがよいでしょう。税理士など、こうした問題に詳しそうな周囲の専門家にきちんと相談をしてみて、知らないうちに足をすくわれることのないように注意をしておきたいところです。
【日本経済新聞WEB版2013/4/30 7:00】
いかがでしたでしょうか・・・
相続税の申告には、充分、気をつけてください。
荒木不動産コンサルティングFP事務所は、相続対策やライフプランの作成、生命保険の見直し、住宅ローン等のご相談の他、土地活用や不動産売却等の不動産コンサルティングのご相談も承っております。
ご相談希望のかたは、まずは、メールか電話でご連絡ください。
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相続支援業務につきましては、『相続支援ネット』に所属し『つくばエリア』を担当しています。
『相続支援ネット』とは相続の各専門家(税理士、司法書士、弁護士、不動産鑑定士、土地家屋調査士、建築士)とコワーク(協働)を組み、お客様が的確な相続を実現するためのアドバイスと支援をご提供する相続専門家集団です。
なお、生命保険コンサルティングにつきましては、『FPアソシエツ&ファイナンシャルサービシーズ』に生命保険募集人として所属しています。
『FPアソシエツ&ファイナンシャルサービーシーズ』は、FPとしての視点で、事業承継継対策や財務体質改善、相続対策、ライフプランにおける保険の見直し等、あらゆる問題解決のための保険活用のご提案をさせていただいております。
そのFPの視点の経験を活かした生命保険活用のコンサルティングをご提供させていただきます。
電話:029-851-6334 メール:info@arakifp.com HP:http://www.arakifp.com/(相続支援あらき検索)
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それは、相続税の特例の規定の適用をうける場合です。
代表的なのは、何といっても、小規模宅地等の課税価格計算の特例でしょう。
小規模宅地等の課税価格の計算の特例の規定を適用して相続税額が0円になった場合、小規模宅地等の特例の規定の適用を受けるためには、相続税の申告書の提出が必要となります。
また、配偶者の相続税額の軽減や、国等に相続財産を贈与した場合の非課税の扱いなどについても、同様に、相続税の申告書の提出があって、適用されることとなります。
つまり、これらの相続税の特例は相続税の申告書の提出があって、適用されるものとなります。
結果は、税額が0円になるのに、と思われるかもしれませんが、そのように法律で定められています。
今後は、自分に相続税は、関係ないと思っていても、注意をする必要がありそうです。
また、小規模宅地等の特例の適用を受けるためには、同居が必要な場合とか必要ない場合とか、細かい要件があるので、特に注意が必要です。(配偶者が取得する場合は、細かい要件は無くなるのですが・・・)
そこで、本日は、日本経済新聞WEB版から、『相続税の申告を忘れたらどうなるか』といった記事を紹介させていただきます。
相続税の申告を忘れていたら、どのようなことになってしまうのでしょうか?
是非、ご参考にしてみてください。
税制改正によって平成27年から相続税のルールが変わる、というニュースをご存じの方は多いでしょう。この改正によって課税対象が広がるので、相続税を支払うことになる層は、現在より50%も増加する可能性があるといわれています。現状では、亡くなった人が100人いれば、そのうち約4人に相続税がかかっていますが、この割合が6人くらいまで増えると見込まれているのです。
しかし、もしもこのような改正があったことを知らずに、実は自分の家が相続税の課税対象となっていたにもかかわらず、相続人全員が申告の必要性に気づかずに申告をしないままになっていた……などという場合は、いったいどうなってしまうのでしょうか。今後は、この手のトラブルが増えてくるかもしれません。今回は、相続税の申告や納付の必要性に気づかなかったり、忘れて放置する形になっていたりした場合はどうなってしまうのか、というテーマについてとりあげていきたいと思います。
長女「父が亡くなってからもう1年以上になるので、母も当初はひどく落ち込んでいたけれど、ようやく落ち着いてきた感じがします。それで、今回の父の遺産の場合って、本当に私たちにも相続税がかかってくるんですか?」
税理士「お父様名義のご自宅の名義が半分と、銀行預金が200万円程度だけだと思っていらしたんですよね。ところが、あなたが受取人になっていた生命保険金が1億円もあった、と」
長女「父がかけていてくれた保険金がおりることは知ってはいたんですが、それが遺産に入るという感覚がなかったんです。父の喪が明けたあと、父と母で半分ずつ持っていた自宅については、名義を全部母に変えてもらいました。でも、そのときに作った書類は自宅に関するものだけだったように思うし、現金はほとんど残っていなかったもんだから、それで手続きは終わりなんだと思い込んでしまって。相続人も私と母の2人だけだったから、もめないからよかったね、なんていわれて余計に油断しちゃったんです」
税理士「……そうですね、結論から言えば、相続人が2人だけなら、今回はやはり相続税がかかってくるケースになるでしょうね。本来であれば、お父様が亡くなられた日から10カ月以内に申告して、税金を納めておかなければならなかったはずです」
長女「えっ、やっぱりそうなんですか! いまから申告しちゃっても問題はないんでしょうか? もしかして、捕まっちゃったりしません? ペナルティーとか、そういったものがどうなっているのか、心配で心配で……」
期限内に支払っておかなければならなかった税金を知らずに滞納していたということになれば、誰しも不安になってしまうことでしょう。上記のケースのように、遺産はすべて把握していたのに、期限内に相続税の申告と税金の納付をしなかったという場合もあります。さらには、そもそも誰も予想をしていなかった財産が実は存在していたために、適正な申告ができなかった場合なども出てくるでしょう。
税法では、そのように適正な納税ができなかった場合のペナルティーについて、ざっくりと以下のように定められています。
(1)延滞税
期限を守れなかった期間に応じて、遅れた分だけ科せられる税金です。法定の申告納付期限(10カ月経過時)の翌日から、納付すべきだった税額に対して課税される、「違約金」といった意味合いのペナルティーだと考えてよいでしょう。ペナルティーの利率は、高ければ年14.6%にも及ぶことがあります。
(2)過少申告加算税
期限はしっかり守っていたけれども、申告から漏れていた財産があとから見つかったときなどに追加でかかることがある税金です。申告納付期限までに相続税の申告書を提出したものの、その申告書の税額が過少だったために税務署からの指摘を受けて税額を上方修正した場合などに、このペナルティーが科せられることがあります。
(3)無申告加算税
そもそも申告をしていなかった場合にかかる税金です。申告納付期限までに申告をしなかったけれども、その後、自分から気づいて、あるいは税務署からの指摘を受けて申告した場合には、このペナルティーが科せられます。
(4)重加算税
悪質なケースにかかってくる税金です。意図的に財産を隠ぺいした、あるいは仮装したと認定された場合に科せられるペナルティーです。
それぞれのペナルティーごとの税率の違いなど、詳細な説明は割愛しますが、とりあえず次の2つの点がポイントになると考えてよいと思います。
まず1つめは、申告納付期限を超えてから申告をする場合でも、「自分で気づいて」自主的に申告するのか、それとも「税務署からの指摘を受けて」から申告するのかでは、科せられるペナルティーの名前は同じでも、税金の重さに差があるということです。
例えば(3)の無申告加算税では、自分で気づいて申告した場合と税務署から言われてから申告した場合とを比べると、自主的にした方が10~15%も税率が低く設定されています。自分からすすんで正しく申告した場合のペナルティーを軽くすることで、申告をする積極的な動機につなげようという考え方に基づいた措置だといえるでしょう。
2つめのポイントは、財産を「意図的に」ごまかしたのか、そうでないのか、という点です。個人名義の銀行口座があるのを忘れていた、知らなかった、という場合と、あえて銀行口座から引き出して隠しておいた、という場合とでは、ペナルティーの重さが違うということです。
例えば、さきほどの長女のケースでは、父の遺産を意図的に隠ぺいしたわけではないようにみえます。となれば、もしかしたら「重加算税」の問題は出てこないかもしれません。しかしながら、申告自体はしていなかったわけですから、「無申告加算税」は免れないということになるでしょう。また、申告納付期限を過ぎているので、これに加えて「延滞税」も科せられるということになりそうです。
このように、当事者にはまったく悪意がなかったとしても、適正な相続税の申告が行われていないというケースは実際に存在しています。そうした際には、残念ながら「まさか我が家に相続税がかかるなんて知らなかった」という言い訳も通用しません。今回の税制改正を機会として、うちは大丈夫だろう、という思い込みはいったん取り払ったほうがよいでしょう。税理士など、こうした問題に詳しそうな周囲の専門家にきちんと相談をしてみて、知らないうちに足をすくわれることのないように注意をしておきたいところです。
【日本経済新聞WEB版2013/4/30 7:00】
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荒木不動産コンサルティングFP事務所は、相続対策やライフプランの作成、生命保険の見直し、住宅ローン等のご相談の他、土地活用や不動産売却等の不動産コンサルティングのご相談も承っております。
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なお、生命保険コンサルティングにつきましては、『FPアソシエツ&ファイナンシャルサービシーズ』に生命保険募集人として所属しています。
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終活問題と終の棲家・・・
自宅併用賃貸住宅を建てる時には小規模宅地等の特例に注意!!
財産承継対策に不可欠な不動産相場の将来予測の難しさ・・・
相続対策の生前贈与のここ(定期贈与)に注意④・・・
相続対策の生前贈与のここ(みなし贈与)に注意③
相続対策の生前贈与のここに注意②
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Posted by 荒木財産FP at 12:55│Comments(0)│FPのひとり言・・・
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